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逃げてきちゃったけど、どうしよう?
もう、寮に帰ろうかな…
こんなモヤモヤしたまま?
せっかく楽しかったのに、菫玲先輩に会わなければ…
いや、違う。菫玲先輩は悪くない。
「嫌だな…こんなこと、考えたくないのに…」
とりあえずスマホを取りに教室に行こう。
この文化祭中はうちのクラスの教室は使っていなくて、荷物置き場になっている。
「あれ、菱沼?どうした?何か忘れ物?」
「あぁ、スマホを取りに…」
「そっか!この後は予定ある?よな…」
「どうして?」
「実はこれ、外の屋台のとこに持って行って欲しいんだけど…」
「…いいよ、予定もないし」
「まじ?助かる」
丁度良かったかもしれない。
何かしていれば色々一人で考えないで済む。
一人になるとつい、嫌なことを考えてしまうから。
そしていざ、頼まれた物を持って教室を出ようとした時、教室に現れたのは、
「菱沼くん」
「…先輩、どうして…?」
「話がしたいんだけど、いいかな?」
俺が首を振った。
「…ごめんなさい。俺、今から手伝いが…」
「あ、いいよ!菱沼!誰か他の人呼ぶし」
「っいや、でも…」
「先輩待たせるなって」
ぐいぐい押されて、俺は追い出される形で教室を出た。
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