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「おはようございます」
「あらおはよう。あなたが直澄の後輩の…」
「菱沼灰凌ですっ、あの、お料理とても美味しかったです!」
「ふふっ、ありがとう」
笑うと目許が先輩とそっくりだ。
「ほら、灰凌こっち座って」
「は、はい」
先輩に案内され、隣の席に着く。
先輩のお母さんは俺の正面へ。
「菱沼くんは寮生なの?」
「はい、寮生です」
食事を一緒に摂りながら、先輩のお母さんの質問に答える。
「直澄は優しくしてくれてる?」
「はい!とても良くしてもらってます!」
「ふふっ、良かった」
先輩のお母さんは、菫玲先輩とのことを知っているんだろうか。
当然話題には出せないけど。
「学校での直澄の様子はどう?」
「…えっと、学年が違うのであんまり分からないんですけど、集会とかで壇上に立ってる先輩はかっこいいです」
「ああ!そうよね!ごめんね?直澄ってば学校でのことあんまり話したがらないから」
「…そうなんですね」
それは菫玲先輩とのことがあったから?
そんな疑問が思い浮かぶ。
チラリと隣を見ると、先輩は少し困ったように笑っていた。
その表情からは何も読み取れない。
「でもどうして集会で壇上に?」
「えっ」
「生徒会に入ったんだよ」
「え?そうなの?」
それすらも話していなかったのか。
本当に学校の話をしていないのかもしれない。
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