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直澄先輩の病室の扉が開いていて、中から菫玲先輩の声が聞こえた。
俺は気づけばノックもせずに中に入っていた。
そこにはベッドに倒れこんでる菫玲先輩と、菫玲先輩の腕を引いてる直澄先輩がいて、二人は、
キスをしていた。
「っ…!」
後退った時に足が扉に当たり、音を立てた。
その音に気づいた菫玲先輩が振り返って、俺と目が合った。
その目は驚きに開かれていた。
「菱沼くんっ!」
「ご、ごめんなさいっ…」
呼び止める声も無視して逃げるように病室から離れた。
自分の病室を通り過ぎる。
どこに行けばいい?
頭に浮かんだのは紅輝。
俺のために怒ってくれた紅輝。
また、頼ったら今度こそ呆れられてしまう?
携帯電話を使用できる場所に移動して、俺はスマホを取り出して電話した。
紅輝はすぐに出てくれた。
『もしもし灰凌?どうしたの?』
「…紅輝…っ」
優しい声音に、縋り付きたくなる。
「俺っ…どうすればいい?」
『何?えっ、灰凌泣いてる?』
「紅輝…どうしよう…」
『ちょっと待って、これからそっち行くから。待ってられる?』
「うん…」
電話を切り、近くの椅子に座って紅輝が来るのを待った。
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