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9.最悪な展開?
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「…る、なる、おい、凪流!」
慌てたように自分を呼ぶ声に凪流は徐々に意識を浮上させた。
薄ら目を開けてみると、心配を滲ませたすぐるの顔が見えて、急いで起き上がろうとした。が、痛みが唸る頭ではその願いは叶わず、また倒れそうになった体は、傑の腕に収まった。
「まったく、、おバカさんですかよ。体調悪いのに、直ぐに起き上がろうとするなって。」
呆れたように俺を見る傑があたたかい。
「すぐるっ、ご、ごめんなさい、ごめ、」
「っだから、バタバタ動くなってば。
謝る必要ないだろ、こんなん迷惑でもなんでもねぇよ。」
震えながら縋り付き、謝り倒そうとする俺を安心させるように、傑が目を細めながら頭を撫でてくる。
鼓動を速めていた心臓がだんだんと落ち着いてくる。傑の温かさが、固まった身体を溶かしてくれた。
「んで、何があったんだよ、ってのはまぁ後でいいか。とりあえず吐いたままじゃ気持ち悪いだろ。風呂はいってこいよ。」
その声にハッと自分の体を見ると、自分の吐いたものが床に散乱し、所々身体に付着していた。
ということは…
「っあ、すぐるっ!!ごめ!」
「だーかーら、いいって言ってるだろ、もう。
ああ、ほら風呂いくぞ、なんなら一緒に入るか。」
ため息で俺の言葉を遮った傑は、ニヤっと笑って俺の膝の下に手を入れた。そして、いとも簡単に俺の体を持ち上げると、風呂場へと歩き出した。
え、えっと、これは、いわゆる、お姫様抱っこ…?!
「ちょっ!すぐる、!やだこれ!おろして!!」
慌てて降りようと、バタバタ暴れる俺を上から見下ろす傑はククッと笑い声を上げた。
「顔真っ赤じゃんか、良かったな顔色戻って。」
そう言いながらまた肩をふるわせる傑に、余計恥ずかしくなった俺は、せめて顔を見られないようにと、傑の胸に顔をひっつけた。
また、あたたかい。
温かさを追うように、頬を擦り付ける俺の行動に、
「あー、お前可愛いな。」
そう優しく笑う傑は何だかとてもくすぐったかった。
「んで、風呂場着いたけど、このまま一緒に入るわけ?」
「そ、そんなわけないじゃん!!」
有り得ない提案を速攻却下して、降ろしてくれた傑を外に押しかえすように、風呂場へと逃げた。
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