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11.飢えた温かさ
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急な温もりに驚いて、ビクッと体を震わせる。
そして急いで上を向くと、
「なーにやってんの。体調悪いんだから休んでろって。」
と、呆れたように笑う傑が居た。
「っあ、ご、ごめん!」
慌てて訳もわからず謝ると、またクスッと笑われた。
「これは没収なー。」
そう言って恐怖の対象をそっと俺の手からとって、俺の頭を一撫ですると、お前は寝てろ、とベッドへ促す。そのままキッチンに向かった傑を見送って、俺は布団を頭まで被ってギュッと体を丸めた。
お姫様抱っこだったり、頭を撫でられたり、なんだか今日はよく触れられる。人肌なんて久しぶりで、何だかくすぐったい気持ちがよぎる。
「傑なら…。」
ふと口から飛び出した小さな呟きに、ハッとし、慌てて口を塞いだ。なんてことを口にしようと思ったんだ俺は。
目を強く瞑り唱える。
いつも縋るように唱えてた、あの日のように。
甘えちゃダメだ。頼っちゃ、信用しちゃだめだ。俺なんかが、、俺なんて…。
「僕にそんな資格なんてないんだ。」
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