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「こんばんは。」
「ん、こんばんは。」
スーツのまま訪れた恋人の部屋はあたたかく、緊張が一気に緩んだ。
やっぱり格好良いなと噛み締めながら頭を下げると、ぽんぽんと撫でられた。
「スーツ似合ってんな。
格好良い。」
「あ、ありがとうございます。
でも、制服とそんな変わらないですよ」
「んなことねぇよ。
大人っぽい。」
慣れない革靴を脱ぐと漸く足が楽になった。
振り返ると、するりと腰回ってきた手に肩に力がはいってしまう。
長岡のにおいも濃くて期待してしまったり。
顎を持ち上げられ目の前に綺麗な顔が近付いてきた。
悪戯気に細められる目さえ格好良い。
「…ん、」
触れるだけのキスにきつく目を瞑ると、ぺろっと唇を舐められた。
口を開けろ、の合図。
薄く開けるとぬるりと入り込んできた舌が口内を舐め回す。
舌をなぞりながら離れていく舌と自分の舌が糸を引いて繋がったのがたまらなく恥ずかしい。
「入学おめでとう。」
「…あ、りがとうございます。」
「遥登の為に飯作っといた。
食ってくか?」
「カレーですか?」
「においでバレたか。
入学祝いに目玉焼きもつけるぞ。」
半熟とろとろの目玉焼きに三条はやって緊張を解いた。
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