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後ろからそうっと近付くと、細い背中に抱き付いた。
驚いた、だけど嬉しそうな顔を見せてくれる恋人にスマホのロック画面を見せる。
「誕生日おめでとう。
遥登。」
「ありがとうございます。」
デジタル時計は音もなくまた一時を刻み、少し大人になった三条の唇に自分のそれを触れ合わせた。
ほんの数分前と変わらず、だけど19歳になった遥登とのキスは何時も通りにしあわせな気持ちになる。
「おめでとう。」
口を離す度に何度も祝福の言葉を口にした。
それに律儀にありがとうと返す恋人が愛おしくて仕方がない。
俺のだ
俺の、遥登
細い腰に手を回す。
「おめでとう。」
「ん…、ありがとうございます。」
「おめでとう。」
「沢山、ありがとうございます。」
独占欲丸出しの自分を受け入れ、甘やかしてくれる年下の恋人を脚の上へと引き上げる。
相変わらずの細さで骨がゴツゴツしているが、あたたかくて良いにおいがする。
自分のにおいを纏っても、三条自身の清潔なにおいを纏っていてもよく似合う。
自分と同じにおいがするとやっぱり嬉しい。
だけど、清潔なにおいも三条のにおいだと解って好きだ。
髪をくしゃりと撫で俺のとばかりに存分にキスを堪能する。
「息、くるし…」
「そのままでいろ。
初々しくて興奮する。」
本音だ。
この初々しくて、付き合いたての頃の様なキスが好きだ。
ぽわっと上気した頬を撫でまた唇を食む。
「…正宗さん」
「ん?」
「ありがとうございます」
「ん。
俺こそ、ありがとう」
誕生日おめでとう
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