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やっと土曜日になった。
なんだか今週は仕事が忙しく休みが恋しかった。
いや、恋しかったのは休みより恋人かもしれない。
長岡は、梅雨らしい天気にさっぱりしたくてコーラのペットボトルを手に取った。
昨日、サイダーと迷いに迷ってコーラを買ったがアイスの方が良かったかもしれない。
雨が降っていて湿度が高くムシムシする。
氷の入ったマグに注ぐと、氷に液体がぶつかってシュワシュワと泡が弾ける。
「正宗さん。
体育祭、今週ですよね?」
「ん、やっと夏休みの課題に着手出来る。
つぅかよ、最近ムシムシするし練習も準備ん時も大変だよな」
「あー、なんか肌がペタペタしますよね。
グラウンドだと風で砂が舞ってくっ付いたりしますし」
苦く笑う三条に、コーラのペットボトルを冷蔵庫に片付けながら長岡は不敵に微笑んだ。
「なに?
遥登ペタペタすんのか」
細い腕を取られ撫でくり回しはじめた。
冷たいペットボトルを握っていた手は何時もよりひんやりしていて、それだけでより敏感に感じてしまう。
「あの、俺じゃなくて…擽ったいです…」
「舐めてぇ」
「え、待って…っ」
二の腕のやわらかい肉を舐められびくっと肩が跳ねた。
腕を上に引き上げられ脇を晒すような体制も恥ずかしくてたまらない。
まだ手の平や甲の方がマシだ。
「正宗さん、汚いから…」
「へぇ?」
「ひ…っ」
べろりと舐められたのは脇。
皮膚が薄くて神経が多く通っている、人間の弱点だ。
しかも、絶対に汗をかいている。
「正宗さん、駄目ですから…っ。
ね、コーラ飲みっ…ま、しょ…ぅ」
ささやかな抵抗に長岡の腹に触れるが思い切り押す事は出来ない。
だって、恋人に触れられてどこかで喜んでいるから。
なんせ5日ぶりの恋人だ。
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