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広場に着き、駐車場で空を見上げる。
「雲多いな」
「はい。
天の川は見えませんね」
外に出て空を仰ぐが、やはり雲が多い。
その隙間から星は見えるが、川となると難しい。
暫く眺めてみるが首が痛くなるだけ。
モスキートトーンに三条が反応しはじめると、一旦車内に戻ろうかと長岡にすすめられた。
助手席に座るとまだひんやりとした空気が身を包む。
同じく運転席に乗り込んだ長岡はぽん、と頭に触れた。
「2人きりで会いてぇんじゃねぇの?
折角久し振りに会えんだし、邪魔されたくねぇだろ」
長岡の優しい気持ちに三条は頷く。
折角の逢瀬なら2人っきりが良いか。
その気持ちはよく解る。
「そうですね。
2人きりが良いですね」
「ん、俺も邪魔されたくねぇ」
「俺もです」
1人占めしたい、そう思うだろう。
「遥登、キス」
「見られ、ます」
「こうすりゃ大丈夫だろ」
ガコンッとリクライニングを倒され、シートベルトも元の位置に戻された。
長岡のそれも外れ、身体が此方を向く。
顎捕まれ綺麗な顔が近付いてきた。
暗くても解る輪郭も、伸びてきた髪も、長岡のにおいも全部にドキドキする。
「…ん、」
触れるだけの軽いキス。
そして、ぺろりと唇を舐められ微かに唇を開くとそこからぬるりと舌が入り込んできた。
「ん…ん……」
するりと頬を撫でる手に触れると、より深いものへと変わっていった。
天の川で今頃逢瀬を楽しんでいるであろう恋人達も、きっと同じ気持ちになっている筈だ。
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