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母の胸の中でうとうとする弟の成長が楽しみだと祖父母達と両親は和室で話をしながら祝いの食事の残りをつまんでいた。
当の本人は泣き疲れてもうそろそろ寝そうだ。
上の兄弟はリビング。
赤飯片手に大皿に盛られた煮物を箸で持つ。
味がよく染みてそうで美味しそうだ。
ぱくっと食い付き、もぐもぐと頬袋を動かす。
「んー、この筍うめぇ」
「ほんとっ!?」
「本当。
優登の味付け好きだよ。」
次に椎茸。
出汁がじゅわっと口中に広がって旨味がすごい。
家の甘めの味付けに箸が進む。
赤飯も蛤のお吸い物もどれも美味しい。
次から次へと長男の腹へと納められていった。
誰かのしあわせを願う食事は、本当にそれの味がして心が豊かになる。
どうしてこれを食べるのか、どうしてこれをするのか、きちんと理由があって願いがある。
やっとそれを理解出来る年になれた。
飯が済んだら優登とゲームをして、昼寝をして、寝ぼけ眼で祖父母を見送った。
早くその隣に綾登も並べば良いのに。
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