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再びうとうとしだした末弟をリビングへと運ぶ。
ベビーベッドに寝かせようとするとぐずりだり、眠いのと抱っこされていたいので顔をぐちゃぐちゃにさせ泣き出した。
「抱っこが良いか。
じゃあ、俺朝ご飯食べるから綾登も一緒な」
「遥登、お母さんが抱いてるからゆっくり食べて。
抱いててくれたお陰でゆっくり食べられた。
ありがとう」
母親に抱かれても泣き止まない綾登。
朝から元気だねと背中を擦られる小さな背中を見ながら三条は朝食に箸を伸ばした。
綾登を通して、小さい頃の自分を見ているみたいだ。
もっと若かった母はこうして溢れる愛情を注いでくれた。
右も左も解らず沢山困った筈だ。
だけど、記憶の中の母は何時も父と笑っている。
ずっと笑っている。
縦抱きで背中をぽんぽんも擦られ、綾登のぐずり声も落ち着いてきた。
鼻をぐずつかせながらも眠気が勝ってきたらしい。
「綾登は良い子。
沢山寝て沢山遊んで大きくなってね」
口元に手をもってきて目をとろんとさせはじめた。
細い髪を撫でる母の手の優しさには勝てない。
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