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「先輩、…って事は、もしかして高校の後輩とか?」
桜の中であの日と同じ様に笑顔を見せる僕の好きな人。
そっか、覚えてるわけないか…
緊張と寂しさと彼を好きな気持ちがごちゃごちゃに混ざっている。
「あれ、もしかして…小泉 凪?」
「え、…なんで名前…」
「あ、やった。合ってた。」
ごちゃごちゃになっていた気持ちが一気に消えて、今度は胸の鼓動がうるさい。
「だって一回話したことあるでしょ。雨が降ってた時、傘に入れてくれたじゃん。」
「覚えているんですか…?」
「うん、」
いつも人に囲まれて、毎日のように告白されていた先輩が俺一人のことを覚えていてくれたのが奇跡だ。
「小泉だって俺の名前覚えてくれてたんだ。なんか嬉しい。」
タバコを手に持って口を隠すその仕草。
心臓の音がうるさい。
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