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Your kiss is sweeter than honey. 出会い編
出会い 6
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甘いのに、くどくない。
マスターが厳選して取り寄せたハチミツは、そのまま食べても美味しい。
思わず、顔が緩む。
「…はっ。何、その顔」
そう言ったと思ったら顎に手を当てられ、上を向かされた。
「キスするぞ」
そう言って確認した瞬間、またキスをされた。
「っ!んんっ」
( 『一言、言ってから 』って言ったけど、…これって違う!)
「…鼻で、息をしろ」
呼吸困難になりそうだったので、従うしかなかった。
「んっ、ふ…」
「ん…」
ちゅっ、ちゅっ、とソフトタッチで音をたてながらキスをされた。
「はっ、甘いな」
「んっ、ん…」
ようやく口を離された。
酸欠で、アタマが回らない。
龍の胸に寄りかかった。
「可愛いな、聖梨」
耳元で名前を囁かれて、ゾクッと身体が震える。
(どうなってるんだよ、俺の身体は…)
自分でも、わからない。
(何で、反応してしまうんだろう)
龍は残っていたハチミツを、ハニートーストに追加で全部かけた。
龍はまた聖梨に、ハニートーストを口に運ぶ。
「口を開け」
そう言われると何故だか口を開き、ハニートーストを受け入れる。
口端からトロリと、ハチミツが垂れた。
龍がそれに気づき、聖梨の口元を舌で舐めとる。
ボーッとしながら龍を見ると、嬉しそうに微笑んでいた。
何度か、ハニートーストを口の中に入れられる。
龍は聖梨がハニートーストを食べている時に、コーヒーを飲んでいた。
ようやく最後の一切れを入れられた時に、龍の唇も近づいてきた。
「キスするぞ」
「んっ…」
またネットリと、キスをされる。
(律儀な人…なのか?)
聖梨の言ったことを守っているのか、キスをする前の一言を言われる。
だが頭が回らなくてボーッとして、それ以上考えられなくなる。
龍とのキスは、マスターが淹れるブレンドコーヒーの良い薫りと味がした。
身体がフワフワしてくる。
「ん…」
プルルルルッ
相手のスマホが鳴る。
片手で聖梨の腰を抱き、もう片手でスマホを操作して電話に出た。
「俺だ」
電話は女性からだった。
相手は怒っているらしく、大声だった。
「社長!どこ、ほっつき歩いているんですか!」
(社長…なんだ)
ボーッとした頭で、聖梨は思っていた。
「ガミガミするな」
「しますよ!もう、会議の時間です!」
「あぁ、今から帰る」
龍は、一方的にブチッと通話終了ボタンを押していた。
「明日も来る。じゃあな」
聖梨のおでこにキスをして、残っていたコーヒーを飲み干した。
そして、聖梨の身体をソファーの上に置くと、個室から出ていった。
ドアの隙間からマスターと何か話している声を、ただボーッと聞いていた。
(…何が、起きたんだろう)
真っ赤になった顔と、やけに甘く感じる口の中に聖梨は困惑していた。
この時は、まさかこれが運命の出会いとなり、龍と愛し合うと思ってもいなかった。
聖梨は机に置いてある、空のお皿とコーヒーカップを眺めたのだった。
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