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「・・・ユキ」
彼の大きな手が俺の頬を滑る。
「いますぐユキを傷つけてきた奴らをぶっ殺してえ」
穏やかな声で紡がれたのはかなり物騒な内容。
顔をあげると、その瞳も穏やかで、背中がゾクリとした
「斗真から聞いてると思うが・・・俺はヤクザだ。利益の為や時には体裁の為ってだけで他人を蹴散らしてきた。
それがヤクザの世界で、ヤクザの家に生まれた俺の世界だからだ。
人が殴られようが殺されようがなんとも思わねえ。
自分に損害を与えるもの、利にならないものには冷徹であれ。そう教わって生きてきた。
いつからか、人間の心がない、冷酷無慈悲な化け物と呼ばれるようになった」
そんなことない・・・っ
俺の知る黒崎さんは化け物なんかじゃない・・・
「裏切りや寝返りなんて日常茶飯事で、信じられるのは自分だけ。自分の直感力で時に生死を分かつ時がある。だから俺は自分の直感や判断だけを信じてここまでのし上がってきた。
最初、お前を資料で読んだ時からお前に何かを感じた。
だから売られそうなお前をあのコンビニから連れ去った。
まだこの「何か」を俺自身分かってねえ
今言えるのは、ユキを傷つけてきたあのクソ野郎をぶち殺してえってことと、ユキがもう傷つかないように護りてえってことだけだ」
黒崎さんは俺の手を両の手で握って唇を寄せた
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