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* Sweet.1 *
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「ご……ごめんなさいぃ。これにはちゃんとした理由があって……」
「どうせ甘いもの食べまくって帰って来たんだろ。……それ、何? いつものスイーツ店のやつじゃない」
夕里の体操着を古着感覚で寝間着として使っている千里は、欠伸をしながら近付いてきた。
中学2年生で3歳下の千里とはほとんど背丈も服のサイズも変わらない。
成長痛が鬱陶しい、と幾度か溢しているので、もう1年も経たないうちに追い抜かされそうだ。
「お惣菜入ってる。兄貴、甘いものしか食べられないくせに」
「……そーだよ。甘いやつだけもらってきたし」
かやのやの惣菜をレンジで温めようとするも、使い方が分からなくて困ってしまう。
ガスコンロの点火の方法も知らないし、炊飯器で白ご飯を炊くことすら出来ない。
自分の生活に必要のない利器だと言ってしまえばそれまでだけれど。
「それ、温めんの? もう……本当、兄貴って俺がいないと何にも出来ないよね」
呆れ返りながりも、千里はレンジのボタンをぽちぽちと押して操作してくれる。
中でくるくるとかぼちゃコロッケが回り始めると、夕里は「おお」と感嘆した。
電子レンジに爛々とした目を向ける夕里をよそに、千里は作りおきしていたシチューを温め直す。
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