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* Sweet.2 *
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本心をひた隠しにする夕里の惚けに、寺沢は「俺達、思春期真っ最中じゃん」と能天気に突っ込んだ。
だらだら歩いているせいで休み時間に入り、他クラスの教室移動が始まってしまった。
「あ……」
どうして目が合っただけでばつの悪そうな顔をして、顔を斜め下に背けるのだろう。
茅野はこちらに歩いてきて、空いている夕里の左肩を取った。
「おも……! ちょっと、どっちも離れろって。暑苦しい!」
「夕里は俺のだから、あんまりべたべた触らないで」
「はあぁ!? お前……何言ってんの!?」
茅野の腕がすでに組まれていた寺沢の腕の下に、無理矢理割り込んできてぐいと引き寄せられた。
べたべた触らないで、って何だよ。
付き合ってる高校生カップルの男のほうが、ヤキモチ妬いて彼女にするやつだろ。
──それを……な、な、何でこいつがやってんの。
夕里は口をぱくぱくさせながら、茅野の顔を見上げる。
照れたように瞳をさ迷わせているのが謎だった。
「舜も青春だねぇ」
「意味分かんないって。寺沢助けて。茅野に潰される」
無慈悲にも寺沢は「先行ってるねー」と夕里を茅野に預けて、走り去っていく。
茅野が臍を曲げている理由には1つ心当たりがあるため、夕里はとりあえず謝り倒した。
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