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* Sweet.2 *
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顔がいいから彼女つくりまくって夜な夜な遊んでいるとか、そういうやつだったら俺もこんなに僻まなくてよかったのに。
というか、さっき何言おうとしたんだ……? 距離近すぎって。
「……体操服、洗って返すから」
「気にしなくていいのに。意外と律儀なところあるんだ」
「意外とって何だよ。……あと、惣菜も旨かったよ。千里……弟も喜んで食べてたし。だから、その……お礼がしたいから家に誘ってきて、って。い、言っておくけど、千里がお願いしてきただけだから!」
それからもごもごと言葉にならない声で言い淀む。
ストレートに遊びに誘えないので、弟の名前を使うことにした。
千里もお礼をかねて茅野を一目見たいと言っていたので、嘘はついていない。
「いいよ。じゃあ、明日でもいい?」
「う、うん」
たくさん悩んだ家に誘うための台詞に、茅野はあっさりと返事をする。
ぐちゃぐちゃで何を伝えたかったのか、どんなふうな言葉を選んだのか、はっきりと覚えていない。
「いいよ」という返事をもらえただけで、午前中にもやもや巣食っていた胸のつかえが取れた気がした。
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