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* Sweet.3 *
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……────。
それから茅野が毎日休みなく夕里のために、お弁当を持ってくるようになった。
中身は数日おきのローテーションかと思いきや、おかずが被る日のほうが珍しい。
夕里が美味しいと完食したものが半分くらいと、食べられなくはないものと全く箸をつけていないものとの4分の1ずつが、2段弁当の中に入っている。
いらない、と突っぱねても懲りずに持ってきて、菓子パンを取り上げられるため、夕里は仕方なくかやのやの惣菜が詰まったお弁当を食べていた。
──というか、これ、新手のいじめじゃないのか……?
端から見れば1個100数円の菓子パンが、ワンコイン以上のお弁当と交換されるのだから、羨ましいかぎりなんだろうが、糖分をがつんと補給出来ないのはなかなかに辛い。
親切の押しつけに等しいが、ついつい目新しいおかずが入っていると口にしてしまう。
申し訳なさも心の隅に引っ掛かって、夕里は週に何度かかやのやを訪れては家族3人分の夕ご飯をちゃんとお金を出して買っている。
「あら夕里くん、いらっしゃい。こんばんは」
「こ、こんばんは……」
割烹着をつけた茅野のお母さんが、ピンク色の頭を見つけては声をかける。
夕里の母親のように服装もメイクも華美ではなく、かやのやの内装によくマッチングしていて柔らかな雰囲気の女性だ。
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