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* Sweet.3 *
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頬をふにふにと指で掴まれて、夕里は眉間に皺を寄せて怖い顔をつくる。
そんな夕里の表情にも慣れきった茅野は、警戒して毛を逆立てている子犬をあやすようにして、ついでに髪もくしゃくしゃと撫でた。
「……いちいち撫でんな。バカ。下に見られてるみたいでむかつく……」
髪をかき混ぜている手がぴたりと止んで、茅野が夕里の言葉を訂正する。
「可愛がってるつもりなんだけどなぁ。夕里が嫌ならしょうがない」
弁当は夕里の事情など構わずに押しつけてくるのに、噛みつかれるのがよほど怖いのか素直に手を引っ込める。
しかも撫でてきたのはそっちなのに、「夕里がやめろと言ったから」という体で、完結させようとしているのだ。
「ふん。俺がモテないからって下に見てるようだけどなっ……。俺も可愛い彼女つくるんだからな!」
「ゆうちゃんダメだってば」と何故か必死に夕里の宣言を止める寺沢を振り切り、びしっと言いきってやる。
「俺の唯一無二の友人、寺沢に手伝ってもらった。今日の合コンで女の子全員をメロメロにして、番号ゲットしてやる!」
「……は? どういうこと?」
──お、効いてる効いてる。
先月に「付き合ってる」と茅野自身が発言して以来、学年中の女子は血眼になってその相手を探していた。
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