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* Sweet.4 *
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「何も書いてないのに見せられても困るでしょ。進路どうするの?」
「まだ2年だし考えてない。普通に皆と同じように大学進学にするかなぁ……」
「あやふやだね……将来の夢とかないの?」
「えー……俺、卒業アルバムとかに何て書いてあったっけ?」
ホットサンドを口にくわえながらプリントをひらひらと揺らす夕里に呆れながら、千里は空になった皿を片づける。
一応、進学校の部類に入るので、大学進学が多数だろう。
──茅野って進路どうするんだろう。
かやのやの跡取りなんて言われていたくらいなんだから、総菜屋を継ぐのだろうか。
成績もいいらしいから、とりあえずは大学を卒業してから考えるのだろうか。
まだ登校する時間までには余裕があるので、いつもの定位置であるソファに寝転んで目的もなくスマートフォンを弄る。
スイーツの新作情報を流し読みしていると、冬季限定のブッシュドノエルや王道のホワイトクリームと苺を使ったホールケーキが目につく。
クリスマス一色になっていく周りを見て、何だか取り残されたような気持ちになった。
──茅野は、誰とどこでクリスマスを過ごすんだろう。
『そっか。じゃあ、これで終わりな』
隣に自分はきっといないということに気付いて、胸が今までにないくらいきゅうきゅうと締めつけられた。
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