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* Sweet.4 *
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テストはいつも赤点ギリギリで通っているような夕里の内申は、三者面談でも大人達に苦笑いされるほどには悲惨だった。
特盛の生クリームがのったチョコレートドリンクをストローでちまちまと飲みながら、夕里は2人の進路について聞いた。
寺沢はかなりレベルの高い大学を挑戦校として受験するようで、素直にすごい、と舌を巻いた。
「茅野はどこ受けんの?」
「んー……栄養士の資格が取れるところ」
大学はどこにするかはまだ考え中だけどね、と茅野はつけ足した。
「やっぱり、かやのや継いだりすんの?」
「さあ、まだ分かんないけど。休みの日にちび達にご飯つくってるから、そういう仕事が出来たらいいなって思ってる」
ふわふわした自分の希望がいかに脆くて、計画性がないか思い知らされる。
でも、自然なほどに苛立ちはなくて。諦めだとかもともと出来が違うからだとか、そんなネガティブな思考にはならない。
──むしろ、茅野のことを知れて嬉しかったり……?
成績も悪くなく、このままの水準を落とさなければ合格圏内らしい。
「俺はそろそろ出るから。ゆっくりしていっていいよ」
「……え? 今日、用事あったの? ……ごめん」
「実家の手伝い。別に気にしなくていいよ」
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