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* Sweet.4 *
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「……何やってんの。夕里。おっさんに絡まれたり転んだり忙しいな」
「は……はぁ!? 転んだのは俺のせいだけど、おっさんはおっさんが悪いんだからな! なあ、聞いてんのか」
「あー……無事でよかった……」
何がどうなったか分からないけれど、下敷きになっている茅野が夕里の身体を退かして這い出てくる。
腰を強かに打ちつけたらしく、しきりに後ろをさすりながら。
「……俺までぎっくり腰になんてなったら、親に笑われる」
「……ごめん。どうしよう……俺のせいで、かやのや潰れるかも……!」
「潰れねぇから。這ってでも店番しろ、って直美に言われるだけ」
そんなこと言うはずない。
茅野に負担をかけて落ち込んでいた。
それを伝えようとしたところで、ダウンコートのポケットの中身が震えだした。
茅野のスマートフォンへの着信は結愛からだった。
茅野は迷わずにその電話に出る。
スピーカーモードにもしていないのに、責めるような結愛の声は夕里の耳にも届いた。
「ごめん。結愛ちゃんとは付き合えない……切るね」
向こう側に吐き出させた後で、茅野は端的にそう告げると何秒か間を置いて通話を切った。
「付き合えない、って……。付き合ってなかったのか?」
「知り合ってから1ヶ月とちょっとしか経ってないし。さすがに早過ぎる」
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