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* Sweet.4 *
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明かりを落とした部屋で、オレンジ色の炎が揺らめいて綺麗だ。
舞の歌う声に合わせて、皆でサンタクロースの歌をうたった。
さすがに3番まで続くと歌詞も分からなくなってきて、年長組はメロディーを口ずさんで誤魔化した。
「はい。夕にいの大好きなケーキだよ。夕にいもう泣かないでちゃんと泣き虫やっつけてね」
「えぇ? お兄ちゃん泣いてたの?」
「うるさいなぁ。ちょっとしんみりしちゃっただけだから」
くすくすと笑う千里に、夕里は睨んで返す。
パーティー用の尖り帽子を被せられて、舞がケーキを口まで運んでくれる。
大きな口を開けて生クリームたっぷりのケーキを頬張ると、夕里は今日1番の幸福な顔を見せた。
「美味しいぃ……頬っぺとろけそう……」
どちらのケーキも甲乙つけがたいくらいに美味しい。
緩めの7分の固さに泡立てられた生クリームは、いい感じに口の中の温度で溶けてラム酒を染み込ませた生地とよくマッチしている。
新鮮で果汁をたっぷり含んだ苺も、生クリームの糖度には負けていなくて、果実の酸味で甘いだけの味をきゅっと引き締めてくれた。
クリスマスパーティーの最中、いじられ役の夕里は舞や悟に質問責めにあうことになる。
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