アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
* Sweet.4 *
-
おかしな命令形に茅野は笑って手を動かす。夕里は立てた膝の間に、にやけた表情を隠した。
「かーわい。……次は大人数じゃなくて、2人きりがいいね」
「2人きり……でもいいけど」
夕里のデレた隙に、茅野は好機を逃さないとばかりにつけ込んでくる。
素直になると押さえていた好きが溢れて、もう止まらなくなった。
でも、それを他人には言えないから、この恋は慎重に育てないといけない。
ひとしきり撫でた後、茅野は満足したのか腕を下ろした。
少し前までは隣に座るだけでも近くて焦れったくて、この距離感が苦手だったのに。
「ケーキ食べないの? もうお腹いっぱい?」
「……食べる」
甘いものにつられて、夕里は餌を与えられようとする雛鳥のように口を開ける。
生クリームがたっぷりとまとわりついた、大きめの一口を押し込まれた。
体温に触れるとゆるゆると溶ける生クリームみたく、夕里もふにゃあ、と表情を綻ばせた。
大好物を餌付けされて最大の隙を見せる夕里に、茅野は浅く溜め息をつく。
「何て顔してんの。あーあ、もう夕里には甘いもの食べさせたくない」
つい溢れた茅野の台詞に、夕里はあからさまにショックを受ける。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
111 / 255