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* Sweet.4 *
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甘いもの禁止を言い渡されたに等しい意味合いの言葉に、落ち込む夕里を見て茅野は少し慌てた。
せっかくデレていたのに、いつもの調子で意地悪く接してしまったことを後悔する。
「……食べさせたくない、って言われても食べるつもりだしっ……。茅野と、いろいろ……行きたいところあるのに……」
直接誘うのは恥ずかしいから思わせ振りなことを言って、向こうから誘われたようにしたいのだ。
自覚し始めた恋は、まだまだ未発展で低空でふらふらと寄り道をしながら進んでいく。
「じゃあ、今度行こうよ。クリスマスデート出来なかったの、ちょっと残念だけど。俺も甘いもの好きだし」
「……休日、空けておく。わざわざ空けるんだから、途中でやめたとかなしだからな!」
「夕里こそ心変わりして、やっぱり行かないはなしだよ」
視線はあえて合わさないまま、小指だけをお互いに絡ませる。
今度っていつだろう。冬休みが明けてから? それとも今年中?
詳細は後日、メッセージのやり取りで決めていくのだろうけれど、それすらも待ち遠しい。
好きだと気付いた瞬間から、きっと加速度をつけて愛しいという気持ちが募っていくのだ。
甘いものを食べたときと同じ幸福感に包まれながら、夕里は隣へと頭を預けた。
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