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* Sweet.4 *
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冬休みの宿題が終わっていないのは嘘にはならないから、それほど罪悪感は残らなかった。
ベッド横の勉強机には、終業式から帰ってきたばかりで放置されたスクールバッグがある。
だらだら過ごしていても1日の負担が大きくなるだけだ。とりあえずまだ頭は回らないから、4択の問題を適当に解き始める。
途中で口が寂しくなって、クリスマスパーティーで持ち帰ったキャラメルを放り込みながら、音楽でも聞こうかとイヤホンを探す。
質よりもとりあえずモチベーションだ。
イヤホンの先をスマートフォンに差し込もうとしたところで、画面が点灯する。
着信相手の名前に、夕里は見なかったことにしようか迷った。
「……もしもし」
「何か夕里の声聞くの久し振り」
「……そうか? 1週間も経ってないけど」
安心したような様子が声の端々に滲み出ていて、夕里も自然と笑みが溢れる。
久し振りに感じないのは、1日中茅野のことを考えているから……なんて言えない。恥ずかしすぎて。
車が走り去っていく音と、茅野が時折「さむ……」と漏らす声を、向こう側のスマートフォンが拾って夕里に伝える。
「外にいんの? 今日めちゃくちゃ寒いのに」
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