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* Sweet.4 *
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「ちょっと隣のアパートに配達してきた、その帰り。老夫婦のお客なんだけどさ、足腰が弱いからサービスで配達してんの」
「そっか。お疲れさま」
はあ、と白い息を逃がした音が聞こえてきて、心臓が跳ね上がる。
「夕里にお疲れさま、って言われんの嬉しい。ね、もう1回言ってみて」
「お、お疲れさま……。早く帰れよ。寒いんだし風邪引く」
「帰りたいんだけどさ。家にちび達いるし、夕里と話したい」
「……学校始まったら、また話せるじゃん」
じゃあ、歩いて帰るまで切らないで、と茅野が言う。
もう完全に手元の作業の続きは出来なくて、通話に夢中になった。
「別に……嫌になったとか、茅野のことき、嫌いとか。そういうのじゃないから! ただ、ちょっと……俺のほうが意識し過ぎてて勝手にしんどくなってるだけ……」
胸の中でごちゃ混ぜになっている感情を、茅野に全部ぶつけた。
──重いよな、こういうの。
結愛だって最初から茅野にぐいぐい迫って振られたんだから、自分だってそうなるのかもしれない。
でも、好きになったのなんて茅野が初めてで、恋愛の仕方とか正解が分からない。
「夕里……そんなに俺のこと好きなの?」
「……好きになっちゃったんだからしょうがないだろ。責任取れ、バカ……」
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