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お弁当2つ分はさすがにかさばるな、とスクールバッグとは別に持ってきた入れ物を見て、茅野は苦笑する。
スクールバッグには、自分と夕里の分のお弁当と水筒と通学用の定期入れくらいしか入っていない。
授業に必要なノートやら教科書は、提げたトートバッグに詰めていた。
いつもは昼休みに夕里のクラスの教室へお弁当を2人分持参するのだが、今朝はふと思いつきで会いたくなった。
夕里の分のお弁当を脇に抱えて、隣の教室へ向かった。
「おはよ。夕里は?」
口の開いた茶色のスクールバッグからは、ピンク色のスマートフォンが覗いている。
最近席替えでちゃっかり後ろの席になった寺沢に、夕里の行方を聞いた。
「はよ。ゆうちゃんならコンビニに行ったよ。甘いもの切れで」
「行き道にあったのに? わざわざ今?」
「ゆうちゃん今日財布忘れたらしいから。俺に金借りて行ったの」
「ふぅん? 何で俺にじゃなくて朝日に借りたんだろうな」
夕里の席にどかっと我が物顔で座る茅野に、寺沢は呆れた顔をする。
朝からどろどろの嫉妬を被せられて、今に始まったことではないがいい加減にしてくれ、と寺沢は2人に突っ込みたくなる。
自覚のないのろけが1番厄介だ、と深く溜め息を吐いた。
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