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* Sweet.6 *
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デリケートな関係を茶化すのは悪いと空気を読んだ寺沢は、的確なアドバイスを施す。
好きとか恋とかを通り越した生々しい表現で、あの一夜のことを思い出し夕里は赤面した。
勢いで頬張ったショートケーキの苺が思いの外酸っぱくて、夕里は顔をしかめる。
「あんなにイケメン毛嫌いしてたのにねぇ……」
「う、う……その通りなんだけど。ずっと嫌いだって思ってたのに、好きって自覚してから茅野のことしか考えられなくなった」
はあぁ、と幸せの溜め息を逃す。
最初から恋愛対象が男だった訳じゃない。
ふんわりしていていい匂いのする、自分より身長が小さくて小柄な女の子と付き合うんだと夢見ていた。
毎日手作りのお菓子を持ってきてくれるような、可愛い彼女が理想だったのだ。
……まあ、料理上手っていうスキルでしっかりと胃袋は掴まれたけれど。
「……寺沢はいつから茅野を下の名前で呼んでんの」
「えっ? 最初から自然に呼んでたけど」
ずぅん、と沈む夕里を見て、寺沢は慌てて「呼び方なんて些細なことだよ」とつけくわえる。
思い返せば、茅野の周りは舜にいやら舜君と、下の名前で呼んでいる。
付き合った頃から気にかかっていたことが、今は毎日悩むくらいには日毎に存在が大きくなっていた。
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