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* Sweet.6 *
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茅野が来る前に二度寝だな、と何となくこれからの予定を、まだ眠気の居座る頭で考える。
「兄貴って付き合ってるやついるの」
「……えっ? な、なに……いきなり」
「つい最近までだらしなかったのに、自分でいろいろとやるようになったから。どういう心境の変化なのかなー、って思って」
図星だ。付き合っているというのも、心境の変化をもたらしたのも。
茅野が家でちゃんと「お兄ちゃん」をしているから、それを間近で見ていると恥ずかしくなってきたのだ。
母親は2人を養うために仕事に出ていて、弟は家族が快適に過ごせるように家のことを頑張ってくれている。
夕里はといえば、高校受験が終わった解放感に引きずられて、やりたいことや興味のあることだけを優先していた。
──俺だって、父さんが働いていて母さんが家にいるような家庭がよかった。
我が儘を押しつけるべきなのは母親で、千里ではないと分かっている。
自分だって何かしなきゃとは分かっているのに。
「で、誰かと付き合ってんの?」
「う……うるさいっ。中学生にはまだ早いんだからな!」
付き合うというキーワードに反応して、顔を赤くする夕里に、千里はにやける。
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