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* Sweet.6 *
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「……別に中学で付き合うのとか、普通じゃない? 兄貴が遅れてるだけだよ」
「いるからなっ。俺だって付き合ってるやつくらい、いるからな!」
「あーはいはい。そういうことにしておいてあげる」
──本っ当可愛くない弟……!
ませているくせに外面だけはよくて、夕里にだけはきつく当たるのだ。
夕里が家事の一端を担うようになっても、扱いが変わったのはほんの少しだけで、兄としては尊敬されていないような気がする。
普段は千里に託されている家の通帳とカードを、はい、と渡される。
毎月振り込まれる生活費は千里が管理していて、そこから食費や雑費、2人のお小遣いを賄うのだ。
「い、いいのっ?」
一切触らせてもらえないそれをぽんと簡単に譲られて、夕里は思わず確認してしまった。
「2日くらい俺がいなくて困るようなことはないと思うけど。あくまで緊急用」
緊急用ということはお腹が空いたりしたら、甘いものを買いに行っていいってことだよな、といいように解釈する。
油断して表情を綻ばせる夕里の悪事を見過ごすはずもなく、警告した。
「俺と母さんの携帯でも支出は見られるようになってるんだからね。それに、現金も置いていくから。私物に使ったりでもしたら、これからお小遣いはなし」
「は……はい」
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