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* Sweet.6 *
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サプライズなんて夢見ずに、茅野と一緒に出掛けてじっくり選んでもらえばよかった。
可愛い弟と妹からのプレゼントに敵うはずない。
たくさん悩んで決めて、茅野にプレゼントしたらどんな顔をするんだろう、とこれを渡すまでいちいち考えて舞い上がっていたのがバカらしい。
どこにもやりようのない鬱憤が、腹の底に沈んでいく。
──惣菜を売っているのは見たことあったけど、料理をつくるのを見るのは初めてだな。
エプロン姿は見られたし、出来立ての美味しいご飯が食べられるのなら、とポジティブに考えるようにする。
包丁で食材を切る音や、ぐつぐつと煮えるような音がしてきて、テーブルについたままで全く関わっていない夕里も楽しい気分になった。
じゅう、と食欲をそそる音とともにバターの香りが漂ってきて、まだ料理が完成していないのに覗きに行ってしまう。
茅野は集中していて、背後まで近寄った夕里に気付いていない。
「しゅん……」
「なに……?」
顔を確認されるのが恥ずかしい。
茅野が返事をして振り返る前に、夕里は後ろから抱きついた。
前に手をまわして、顔をくっつける。茅野の体温が触れているところ全部に伝わる。
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