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* Sweet.6 *
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それから30分も経たないうちに、茅野の手作り料理がテーブルの上に全て並んだ。
味見をさせてもらったグラタンと、夕里が以前食べたいと言っていた写真映えのするパスタ、大好物の卵焼きが揃っている。
写真で見たパスタにはオレンジや紫の花びらが飾られていたが、それらは細かく賽の目に切った赤と黄のパプリカで再現されている。
茅野には「食用の花びらは探してもなかったから」と謝られたが、恋人がつくってくれたことを加味すれば、満足度はあの写真以上だった。
「美味しそー……どれから食べるか迷う」
いろんな角度から写真を撮った後、夕里は三品の間で視線をさまよわせる。
スマートフォンの中には料理だけではなくて、キッチンに立つ茅野の後ろ姿の写真もこっそり保存していた。
一口目はリクエストしたパスタだ。
多分、甘くはないんだろうな、とドキドキしながらフォークに巻いたものを口に入れる。
甘い味の食べ物以外は、ほとんど初体験だ。
茅野は向かい側で少し不安そうな顔をしていて、自分の分にはまだ手をつけていない。
──あれ? 甘くないけど、意外と食べられる!
何と表現していいのか複雑な味だったけれど、もっと食べたいと率直に思った。
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