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* Sweet.6 *
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フォークを口に運んで「美味しい」と感想を言うと、茅野は笑みを溢した。
「すっごく美味しい! 茅野って才能あるよな。将来はかやのや継ぐんだろ? 俺、お金稼ぐようになったら毎日買いに行く」
名字呼びに戻ると、茅野はやや不満そうな顔をしたが、同時に特技を褒められて満更でもないような表情をしている。
「いずれそうなるかなぁ。直美には素人に毛が生えた程度だって全然認めてくれないけど」
「えぇ……こんなに美味しいのに? ……というか、俺の意見は全然参考にならないよな」
一般人と味覚のずれはかなりあると自分でも分かっている。
それでも茅野は、夕里が「美味しい」と箸を進めると、本当に嬉しそうに笑うのだ。
「いろいろ言ってくれるほうが助かる。美味しいとか好みじゃないとか。だって夕里のためにつくってるし」
──俺、めちゃくちゃ甘やかされてるなぁ。
感情表現がストレートなところが好き、と告白を受けたが、茅野だって負けず劣らず大胆だ。
夕里が赤くなるようなことを狙って言うときは、目尻がくしゃっと皺になって顔を和ませる。
クールに澄ましている様子とは疎遠の無邪気さが垣間見えて、そのギャップに惚れてしまう。
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