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* Sweet.6 *
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──こんなの、ヤキモチ妬いてるの丸分かりじゃんっ……恥ずかしい。
するすると本音を引きずり出されて、茅野には思っていることが全部筒抜けになっている気がする。
夕里は昔から隠し事が出来ないタイプだ。
「うん。話してる。夕里のこともいろいろ聞かれるよ」
「えっ? 本当? 俺もついにモテ期到来か!?」
「可愛いでモテてる」
ちょうどよく焦がしたチーズの表面をスプーンで割りながら、夕里は「あっそ」と面白くないように吐き捨てた。
クリームソースの中には、大振りの野菜や鶏肉がごろごろ入っていて、ふうふうと冷ましてから口に入れた。
「女子が男に可愛いって言うのは脈なしって意味だからな」
「ふぅん。じゃあ、別にいいか」
「は!? よくないっ。よくないだろ!」
コンプレックスを「別にいい」とあっさり一蹴されて、夕里はむくれる。
ちょっとでも期待したのがバカだった。
機嫌を悪くした夕里に、茅野は甘い卵焼きの皿をそっと差し出す。
自分の分の一切れをおまけでのせてくれたので、短くわざと感情を込めない声で「ありがと」と言った。
キッチンのほうでオーブンがぴぴっと音が鳴って、茅野は食事の途中で席を立つ。
白いココット皿が、夕里の前に置かれた。
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