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* Sweet.7 *
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……────。
ピンク色のカーディガンのボタンを閉めながら、どたばたとけたたましく階段を駆け降りる。
昨夜は布団に隠って動画を見ていたらいつの間にか寝落ちていて、スマートフォンは充電切れだ。
「もー! 何で起こしてくれなかったの!?」
「兄貴、今日から自分で起きるって言ったじゃん」
「確かに言ったけど! でもさ、起きてこなかったら心配になんないのっ!? 様子見に来るとかさぁ……」
「なんないよ。また気持ちよく寝てるのかなぁ、って思ってた」
千里と仲良くキッチンに立っている絵里は「ねー」と同調している。
茅野の介入がきっかけで、絵里は仕事の時間を徐々に減らしていき、正社員よりもやや少ない就業形態で同じ仕事を続けている。
そうなれば必然的に収入も下がってしまうが、別居していた父親が戻ってくることになったので生活のほうはひとまず大丈夫らしい。
来月には社宅からここに移る予定で、荷物を運び出している途中だ。
リビングや廊下には段ボールが山積みになっていて、うっかり足で蹴らないように注意しながら歩く。
オムレツやベーコン、ポテトサラダがのったプレートを絵里から受け取ると、いただきます、と手を合わせてから食べ始めた。
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