アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
* Sweet.7 *
-
「いえいえ! こちらこそごめんなさいね。茅野君がずばっと言ってくれたおかげで、いいきっかけになったの。私だけがお父さんに意地張ったりして……。これからはきちんと家族と向き合うようにします」
言葉通り、絵里は仕事の時間を減らしているが、自分の我儘のせいで生き甲斐を奪ってしまったのではないかと不安にもなった。
夕里がそれを口にすると、絵里は申し訳なさそうな表情を隠さなかった。
本当は父と仲が悪くて、家庭を修復する気なんてさらさらなくて──余計なことだったのかもしれない。
「もう、行ってくるから!」
「じゃあね。行ってらっしゃい、夕里」
行くぞ、と茅野を連れて、駅のほうへ歩き出す。
ふと家のベランダを見ると、千里が自分達を見ているのに気付いた。
手を振ってやると、べーっと舌を出して部屋に戻っていく。
──本っ当、機嫌悪いな……反抗期なのか?
夕里が家事を手伝いもせずぐうたらしているときは、だらしないだとか散々言われたけれど、今は口であれこれ言うよりは可愛いげのない行動が目立つ。
千里と同い年である連は大人びているのに。
「何なんだよ、もう。可愛くない弟。茅野のところの連君は素直でいい子なのに」
「いや、うちのほうが生意気。千里君は裏表はっきりしてて可愛がりやすいじゃん」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
211 / 255