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* Sweet.7 *
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中学生のときに着ていた夕里のお下がりのジャージを勝手に借りて、気持ち良さそうに眠っていた。
布団を剥ぐと、無意識に身体を丸めて自分の元へ引き寄せようとしている。
小さい頃は眠っているよくちょっかいを出しては千里にぐずられていたので、両親に怒られていた。
まだ温もりの残る寝返りで空いたスペースへ、夕里は身体を滑り込ませる。
こうやって隣り合って眠るのなんて、何年振りだろうか。
ほんの少し懐かしさに浸るだけの時間、目を瞑っているだけが後もうちょっと……と欲張ってしまう。
何度か意識の浮き沈みを繰り返した果てに、弟の部屋にいることが抜けていた夕里は、自分の部屋にいるぬいぐるみと勘違いしてぎゅう、と千里に抱きついた。
「あったかい……」
「……は、あ……兄貴。な、何してんのっ……? 俺の……っ! 俺の部屋なんだけど!」
「んん……ん、今日だけ。一緒に寝かせて……?」
腕を払い除けようとする千里の必死さにも屈しず、夕里はさらに背中から抱き竦める。
冷たい廊下を歩いて、隣の自分の部屋へ戻る選択肢は、もう今さら頭の中にはなかった。
「一緒のベッドで寝るとか……はしたないだろっ! 俺は気を遣ってるんだから、兄貴だって……!」
「もー……いいじゃん、別に。間違って部屋入っただけ。今日くらい一緒に寝よ?」
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