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* Sweet.7 *
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千里の言葉のニュアンスにどこか引っ掛かりを覚えるも、睡魔には叶わなくて隣の体温にしがみついた。
千里のほうも夕里の腕を振り解くのに全力を注いでいる。
──何でこんなに抵抗してんの……? お兄ちゃん本当に何かした!?
千里には相当嫌われているようで、添い寝すら許してくれない。
ツンの姿勢を崩さない千里と、甘え癖の抜けない夕里との攻防がしばし続いた後で、ぼそっと呟かれた。
「親しき仲にも礼儀あり……なんだけどっ? 兄貴って本当そういうとこ欠けてるよね」
「何でいきなりそんな話すんの。千里のことはすっごく尊敬してるよ? 拒否されたらお兄ちゃん悲しい……」
湿った背中にすりすりと頬を寄せて、夕里はさらに距離を詰めた。
悲しいのはポーズじゃなくて本音だ。
幼少の頃に「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と健気に後ろをついてきた弟の姿が思い起こされて、夕里ははあ、と溜め息を吐いた。
「ひゃ……う」
「ん、なに……何?」
何気なく吐いたものが首筋のあたりを掠めたようで、千里は項を手で押さえながら夕里を睨みつけた。
思わず出てしまった高い声について、夕里はにやにやした表情で責める。
「千里かーわい。くすぐったいのに弱いの?」
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