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* Sweet.7 *
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茅野がにやにやした表情を含みながら、からかいをたっぷりと混ぜた台詞で返した。
勢いで否定したら、また茅野のペースで話が進むんだろうな、と思ったから、夕里は「そういう話じゃないんだけど」と冷ややかな言葉を繰り出した。
「だって、茅野にいっぱい負担かけてる……」
絵里が家事に専念するようになってから、夕里も少しずつ手伝いを始めているけれど、それよりも勉強しなさい、と注意されていた。
高校生活の半分以上、自分の娯楽として費やしていたので、勉強はかなり遅れている。
絵里は決して意地悪じゃなくて、ちゃんと自分のために言ってくれているのは分かっているのだ。
毎朝家族の誰よりも早く起きる絵里に「いつも何時に起きてるの」と聞いたら、5時前よ、と返ってきて恐縮した。
「負担? いや全然。夕里は手がかかる子だって覚悟してたから」
「そっか……。……ん、んん? え、絶対いい意味じゃないよな!? 今の!」
「クラス離れてるし、学校着いたらほとんど話せないから。ちょっとでも夕里といたいし」
「……3年はクラス一緒になるといいな」
家から駅まで、電車に乗って学校まで30分にも満たないくらいの時間を大切にしてくれている。
──これは、そういう雰囲気……でいいんだろうか。
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