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* Sweet.7 *
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嘘偽りは1つもないけれど、どれも茅野には聞かれたくない内容には変わりない。
背筋が冷えるような感触に襲われて、夕里はその場で身震いする。
「そうじゃない」なんて返そうものなら、実力行使で黙らせられそうで夕里は口を閉ざすしかない。
「ふぅん……。千里君と仲いいね、夕里」
「兄貴とは生まれたときから一緒だし、俺が1番兄貴のことよく分かってるんだよ。何かさぁ……舜君って、ちょっとでしゃばり過ぎだよね。ね、ぶっちゃけて言うと兄貴と付き合ってるんでしょ?」
「うん。そうだよ。今まで黙っててごめんね?」
「な、な……なに言ってんの……。ふ、2人とも!」
猫被りを突然やめた千里が、夕里の秘密をするりと言い当てる。
茅野がすぐに肯定したせいで、もう夕里がふざけた態度で濁しても、露呈した事実は隠せなかった。
「兄貴と知り合ったのなんて最近でしょ? ちょろい兄貴をその気にさせて楽しかった?」
「ちょろいってどういうことだよ!」
「うるさい。塞ぐぞ」
「ひっ……!」
目の据えた千里が短く答えると、夕里はその気迫に押し黙ってしまった。
以前千里を猫みたいで可愛がりやすいと言っていた茅野は、余裕を含ませた表情のままでいる。
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