アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
* Sweet.7 *
-
「これでも仲良くなるまでに苦労したんだよ。夕里、わりと警戒心強いから」
「分かる! 兄貴って見た目こんなんだけど、びびりで人見知りだし」
夕里の話題を振られて負けじと乗っかる千里は、頬をやや染めながらくすりと笑った。
久し振りに見る無邪気な笑顔に、感動すら覚える。
「何て顔してんの、兄貴。気持ち悪い」
「……は、だ、だって、俺に笑ってくれたから……嬉しい」
「いや、笑ってないけど。ちゃんと前見えてる? そんなふにゃふにゃしてるから、舜君にいいようにされてるんだろ」
「見えてるよ! カラコンは度なししか入れてないし? っていうか、なになに? さっきから茅野に冷たくないか」
何を言ってもどんな態度で接しても、弟が可愛くない。
不本意だけれど、茅野がいれば千里はとびっきりの愛嬌を振り撒いてくれる。
……ただ、その条件も今日で外れてしまった。
「俺はそっちの態度のほうが接しやすくて好きだよ。夕里っぽくて扱いやすい」
「茅野はこう言ってくれてるけど、年上なんだからあんまり生意気な口聞くなよ」
中学校は駅の線路を挟んで向こう側にある。
千里は地下の道を行くことになるので、駅前でお別れだ。
言いたいことは山ほどあるが、一度頭の中を整理したい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
228 / 255