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* Sweet.7 *
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冷たく乾いた風がぴゅう、と吹きつけてきて、夕里は自然と隣にもたれかかった。
同じく次の電車を待つ女子高生がスカートを押さえながら、寒いねなんて言い合っている。
やけに視線を感じるのは、隣にいる男のせいなのだろう。
「寒いから、あっちで待ってる」
彼女達の熱っぽい視線に茅野が嬉しそうにしていた訳じゃないけれど、夕里はいい気分じゃない。
ふてくされてぷい、とそっぽを向くと、夕里は暖房のついている待合室の扉へと手を伸ばした。
「俺も一緒に休憩」と言いながら、茅野は重いガラスの扉を、片手だけを使って横に引いた。
「……ちょっと待って! 開けて開けてっ!」
「え、えぇっ? むり、無理っ。入って来んな!」
どうしてここに、と質問してもまともな答えは期待出来ないし、無駄だと思った。
息を切らした千里が、あり得ないほどの力で待合室の扉を何とか抉じ開けようとする。
引き戸はミシミシと嫌な音を立てて、取っ手にすがりついていた夕里が徐々に押し負ける。
ようやく出来た1人分の隙間を縫って、茅野と2人きりのところに再び入り込んできた。
「まだ、話は終わってないんだけど?」
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