アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
シュガーホリック シュガーライク
-
髪は毎日手入れをしていて色を抜いているわりに傷んでいないのが自慢だったのに、何度も黒に染め直したせいで今朝は櫛すら通らなかった。
「えー。そのままのほうがいいって。優等生っぽくていいじゃん」
「俺、茅野と寺沢よりも頭よくないんだけど? 嫌みか。というかお前っ。何しても似合い過ぎだろ! あーあ、モテの寺沢には俺の苦労なんて分かんないだろうな」
「そんなことないって。もう半年は彼女いないしさ」
「え? そうなの? ごめん……俺の勘違い……」
寺沢の手を取って、ぐっと熱い握手を交わす。頑張れよ、と夕里は心から応援した。
「あ、あのぉ……それって、本当なんですか?」
「……ん? 誰……」
唐突に質問が投げかけられて、夕里はろくに返すことなく警戒の態度を示した。
髪を2つに分けた大人しそうな女子が、泣きそうな顔をして「す、すみません」と声を震わせながら頭を下げている。
見るからに気弱そうな子だ。
「もしかして、茅野に何か用?」
3人のうちの誰とも目を合わせようとしない。
夕里はつい意地悪になって、ぶっきらぼうにそう聞いた。
「ち、違います! その……寺沢先輩に」
「えっ、俺に?」
「……よかったら、連絡先……とか」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
237 / 255