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スイーツモンスター
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「お茶菓子は何がいい?」と聞くと、茅野は「今日はいらないかな」とやんわり断った。
「わ、わ……! 何これ!? 買ってきてくれたの?」
「俺の手作り。チョコ交換しよ、夕里」
写真を撮ることも忘れて、夕里は可愛くラッピングされた箱に飛びついた。
大好きな甘い匂いに、ほろ苦いカカオの香りがコーティングされている。
イベントとサプライズが大好きな夕里の性格をよく熟知していて、こういうことにはまめで。
夕里と近付くまでに、お菓子作りは一切したことがなかったと言うから驚きだ。
ガラス越しに並んでいてもおかしくないショコラテリーヌが、食欲をくすぐる。
──お菓子の作れる彼氏がいて幸せ。
チョコレートをたっぷり含んだ生地は、真ん中が凹んでいてずっしりと重そうだ。
早速愛情のこもった手作りチョコレートをいただこうと、夕里はフォークを手に持った。
「夕里もくれるよね?」
「……え? えーっと」
ひょい、とショコラテリーヌは茅野の手の中に取り上げられていた。
あげるはずだったチョコレートは、我慢出来ずに食べてしまった訳で。
はぐらかせるはずもなく、夕里は土下座する勢いで茅野にすがりつく。
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