アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
スイーツモンスター
-
二人きりの、やっと恋人らしい時間が訪れて、夕里はそわそわし始める。
茅野がフォークで柔らかい生地を切り分ける。
本当に自分でつくって食べてしまうのか、と思い、夕里は泣き出しそうになる。
「かーわい。食べさせてあげよっか」
甘いしっとりとしたショコラテリーヌは、全て茅野によって夕里の口の中に運ばれた。
冷たいテリーヌが、口の中の温度で溶けて濃厚な味が拡がる。
ふにゃふにゃと幸せな顔をしていると、何故か茅野に頬を軽くつねられた。
「は……は? 何っ。痛いんだけど」
「可愛い顔し過ぎ。夕里、甘いもの食べさせたらすぐ油断するよな」
「別にいいじゃん。……今はお前しかいないし」
甘いチョコレートを期待して口を薄く開いて待っていたら、キスが降ってきた。
甘い、と呟いた後に、再び重ねられて、夕里は素直に目を閉じてそれを受け入れる。
チョコレートとキス。2つを交互に与えられ、陶然となる。
──どっちが甘いのか、分かんない……。
あれほどチョコレートを欲しがっていたのに、今は茅野のキスが欲しい。
甘い味を口にしているよりも、いつの間にか茅野と唇を合わせている時間のほうが長くなっていた。
「ん……っ。ん、ふ……あ」
「すげぇ可愛い。ここで食べていい?」
入ってくる舌が、肌を直接這う手が、熱い。
「へや、がいい……俺の部屋に……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
249 / 255