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こたつ
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箱根駅伝スタート?
目で聞きながら一が入る。
テレビに向かって左から俺、真、迅、えみり、一。
一番遠いじゃないか。
不満そうに目を向けると、えみりが笑った。
だめだよいっつもお母さん独り占めはあ
一をキープしてやがる!
当の一がくすくす笑う。
真も迅も。
何だよ何だよ。
おまえたちお父さんはだな、一お母さんを独り占めなんか
いいからいいから。
テレビみよテレビ。
いなされてしまった。
俊輔とおさんここバイクで走ってるんだよね大昔。
スコットだよねー、お父さん。
そのときお母さんは走らなかったの?
ばかだなあえみり。
そのときお母さんは選手じゃなかったんだぞ。
リゾートだったんだ。
リゾート?
あ。
もしかして、
サポートのことか?
うん。
リゾートだった。
初日に山王が集団落車に
巻き込まれてね…
今画面出てるあのあたりだ。
うおおおお。
真たちが、食い入るように画面に見入る。
まるであの年のあの瞬間が、目を凝らせば見えるみたいに。
俺も見たいなあの年の、ギザ髪の頃のあなたを。
でもあの頃はいつもあいつと一緒だから、ムカついちゃうかな。
それでも…
足に、ふっと足先が当たる。
表情はすましてテレビに向けている。
俺の…
俺の愛した金の髪は、今ここにいる。
ずっと。
永劫に。
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