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追う
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美しい金の髪と
怒気を含んだあおい瞳(め)
背の高いイネ科の雑草踏みしだいて横たわった小柄な男は、完全に状況を受け入れていた。
他人じゃろ。
たまたま同学年。
たまたま同じ学校。
たまたま正副キャプテン。
それだけじゃろ。
何で差し出せる。
庭妻がわめきよる。
よせや!
やめや優策!
人として、それはいかん!!
人としていかんのはどっちじゃ
何であいつは止めん
儂は
挿れんで
キスだけ貪った
胸も腰も嬲りに嬲って
でも、せんじゃった。
ただもうやつをむしょうに傷つけたかったのに、
やつはふつうにチップを受け取りおった。
二人が行った後、庭妻に頬張られた。
パアンと。
すげ音した。
当たり前じゃろ。
当たり前じゃ。
じゃが庭妻。
やつはそれをせなんだし、止めにも来んじゃったよな。
ぴったりの呼吸で、キャノンデールとコラテックが行きよった。
一分の隙もないコンビネーション。
けどそれは、金髪が押し込んだゴールで見せた、マジックのような一体感ではもうなかった。
楔だけは打てたわ言うたら、庭妻が儂の尻蹴上げよった。
東村がおずおず差し出すチップを、そっと受け取った庭妻が、儂に渡す。
捨てないでくれただけメッケモン、か?
違う。
追いつくぞ庭妻
は?
追いつく。
加速する。
あいつの負けじゃ。
あいつは友よりチップ選んだ。
おまえだって止めようしたじゃろ。
儂でも止めたわ。
でもあいつは
止めんかった。
そういうやつなんじゃ。
浦久保さんの目が再び、ギラギラと妖しく輝き出した。
獲りに行く気じゃ!
でも気負いは消えとる。
浦久保さん、純粋に追う気なっとる!
そうじゃ東村!
これがほんもんの浦久保優策じゃ!
はい!
じゃから
と庭妻さんの声がふっとくぐもった。
脇道消えたことだけは忘れえ
あ。
そこ……
でも……
忘れました!!!
二年東村!今より引きます!!
叫んで加速する。
坂道君。
うちの先輩ら。
悪党じゃないけえ。
そこだけはわかっといてほしいです!
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