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ホワイトデー
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おとおさん
おとおさんも真も迅も、ホワイトデーするんでしょ
えみりだけしないの変だねえ
女の子はいいんだよ
バレンタインもくれたでしょう?
あげたけどおー
きょおもあげたいのー
女の子っていうのは
ほんとおしゃまなものなんだな
“妻”は目を細め、温かな笑みを浮かべている。
俺は前もって用意していた細長い小箱を手渡す。
オールプラチナのロングネックレス。
手に取って俺がつけてあげると、白い肌にものすごい映える。
ペンダントトップはダイヤ。
0.24くらいだが、揺れるたびきらきら輝いてくれる。
いいなあはじめちゃん。
(最近男児どもは一をはじめちゃん呼ばわりだ)
似合ってる。
俺らそんな予算ないからなあ。
真が持ってきたのは作文。
迅が持ってきたのは木彫りの人形。
女性系の一の姿だ。
作文はけっこう美文で、母親であり父親でもある一への、好奇心や不安感と、果てしない愛情が書かれていた。
他人には言えないからさ。
はじめちゃんにだけ内緒の作文。
ありがとう、って瞳で笑う。
木彫もにこにこ見てる。
間に合った?
えみりが持ってきたのは絵で、こちらは男の一だった。
コラテックに乗っている。
ここにいるのがおとおさんでぇー、はじめおかーさんが走っていくの。
ああ。
うちのこたちはほんとうに……
俺は目頭が熱くなる。
おとおさんにはこれね。
スコットと俺。
一への絵の裏焼きシチュエーションで、同じくらいの遠くに、コラテックの一が待っている。
見つめ合い辿り着き合う俺たちか。
ほんとにほんとにもう……
えみめ。
おかげで俺たちしゅんちゃんにも、
作って、書いてやらなきゃなんないじゃんか。
そういいながらにこにこしている真や迅も、えみりと一緒に抱きしめる“妻”は今も美しい。
身長はついに165センチのままだった。
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