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鍵
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震える手で、鍵を開ける。
あの人の部屋。
俺んちでも、あの人のうちでもない、あの人の…
でもって鍵。
俺、いてもいいんだここに。
なんてすごい…
入ってすぐが廊下。
左手がキッチン、リビング。
右の最初の部屋が“画室”。
フローリング。
明かり取りの高窓。
ほぼ真ん中にイーゼル。
描き始めたばかりの絵は…
スコットだった。
ガチャリと扉の音。
あの人?
きょう卒業したばかりの金色の髪?
来たね。
言葉少ななあなたは、半分以上目で語る。
古賀さんをどの辺まで、送っていったんですか?
言葉で聞かないのに、あなたは桜一輪を差し出した。
ああ。
駐車場のあたりまでか。
ずっと見送ってただろうあなたが目に浮かぶ…
不思議だ。
気がつくと、後ろから抱きすくめられていた。
来てくれて
ありがとう
うなじをくすぐる金の髪。
いま俺だけの金の髪…
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